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法人税・所得税・源泉所得税の納付方法まとめ|電子納税から振替納税まで主要な納付方法を解説

2026.03.19

法人税・所得税・源泉所得税は、事業を行う上で必ず納めなければならない税金です。

しかし、納付方法にはさまざまな選択肢があり、自社に最適な方法がわからないという不安の声も少なくありません。

それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、対応税目や利用条件もさまざまです。自社の状況に合わない方法を選ぶと、余計な手数料が発生したり、手続きの手間が増えたりすることもあります。

本記事では、法人税・所得税(申告所得税)・源泉所得税の7つの納付方法を網羅的に解説します。各方法のメリット・デメリット・利用条件を整理したうえで、ケース別のおすすめや注意点もまとめていますので、自社に最適な納付方法を見つける参考にしてください。

1. 税金の納付方法が重要な理由

法人税・所得税・源泉所得税には、窓口での現金納付だけでなく、インターネットバンキングをはじめとした電子納税、振替納税、クレジットカード納付など、さまざまな納付方法が用意されています。

それぞれの方法には、手数料の有無、24時間対応の可否、事前手続きの要否など異なる特徴があり、選ぶ方法によって手続きの手間や納付忘れのリスクが大きく変わります。自社の状況に合った適切な納付方法を選ぶことが、スムーズな納税の第一歩です。

また、納付期限までに「どの方法で納めるか」をあらかじめ決めておくと、直前になって慌てずに済みますので確認しておいてください。各税目の納付期限は以下のとおりです。

  • 法人税 事業年度終了日の翌日から2か月以内
  • 所得税(申告所得税) 原則3月15日
  • 源泉所得税 原則翌月10日(納期の特例適用の場合は年2回)

本記事では、主要な7つの納付方法を比較・解説していきます。

2. 納付方法の一覧比較

まずは7つの納付方法の全体像を把握しておきましょう。下記は、本記事で解説する7つの納付方法を一覧にまとめたものです。

納付方法対応税目地方税手数料納付額上限領収書事前手続き
インターネットバンキング(Pay-easy)全税目対応なしなしなし必要
窓口納付全税目対応なしなしあり不要
クレジットカード納付全税目一部対応あり1,000万円未満なし不要
ダイレクト納付全税目対応なしなしなし必要
振替納税所得税・消費税のみ非対応なしなしなし必要
コンビニ納付全税目一部対応なし30万円以下なし(※受領証は発行される)不要
(※QRコードの事前作成は必要)
スマホアプリ納付全税目一部対応なし30万円以下なし不要

どの方法が自社に合いそうか、まずは一覧表で比較してみてください。各納付方法の詳細については、次章でひとつずつ詳しく見ていきましょう。

3. 各納付方法の詳細

ここでは、7つの納付方法の詳細を解説します。各方法のメリット・デメリット・利用条件・手続きの流れを説明します。

3-1. インターネットバンキング納付(Pay-easy)

Pay-easy(ペイジー)は、税金や公共料金などをインターネットバンキングやATMから電子的に支払える収納サービスです。国税の納付では、e-Taxと連携して利用します。

Pay-easy対応のインターネットバンキングを利用すれば、24時間いつでもオフィスや自宅から納付が完了します。法人・個人を問わず、すべての税目に対応しており、実務上最も汎用性の高い手段と言えるでしょう。

国税の納付手順

  1. e-Taxにログインし、納付情報(税目・納付金額等)を登録する
  2. 登録後に発行される収納機関番号・納付番号・確認番号・納付区分の4つの情報を取得する
  3. インターネットバンキングにログインし、Pay-easyメニューから上記4項目を入力して納付を実行する

なお、e-Taxの「受信通知」から直接インターネットバンキングに遷移して納付する方法もあります。この場合は納付番号等の手入力が不要となり、入力ミスを防ぐことができます。

地方税の納付

eLTAX(地方税ポータルシステム)経由でもPay-easy納付に対応しています。法人住民税・法人事業税・個人住民税(特別徴収)などの地方税もインターネットバンキングから納付可能です。国税・地方税の両方をインターネットバンキングでまとめて対応できるのは大きなメリットです。

メリットデメリット

メリットデメリット
・24時間いつでも納付できる
・手数料がかからない(原則無料)
・納付額の上限がない
・すべての国税に対応
・地方税にも対応(eLTAX経由)
・e-Taxの利用開始手続きが必要
・Pay-easy対応のインターネットバンキング契約が必要
・領収書が発行されない

3-2. 税務署・金融機関の窓口での納付

最もオーソドックスな方法です。税務署や金融機関(銀行・信用金庫等)の窓口に、納付書と現金を持参して納付します。なお、7つの納付方法のうち領収書が発行されるのは窓口納付だけです。ただし、近年は電子納税の普及に伴い、領収書を求められるケースは減少傾向にあります。

手続きの流れ

  1. 納付書に税目・納付金額等を記入する
  2. 税務署または金融機関の窓口に納付書と現金を提出する
  3. 受付印が押された領収書を受け取る

地方税の対応

地方税についても、各自治体の窓口や指定金融機関で同様に窓口納付が可能です。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・事前手続きが不要
・手数料がかからない
・納付額の上限がない
領収書が発行される(唯一の方法)
・窓口に出向く必要がある
・金融機関の営業時間内のみ対応
・現金を準備する手間がかかる

3-3. クレジットカード納付

**「国税クレジットカードお支払サイト」**から、クレジットカードを使って24時間いつでも納付できる方法です。

手続きの流れ

  1. 「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスする
  2. 納付税目・納付金額・カード情報等を入力して決済する

手数料とポイント還元の損益分岐点

クレジットカード納付には決済手数料がかかります。手数料は税額1万円ごとに約83円(税込)です。

たとえば、税額50万円の場合の手数料は約4,150円となります。カードのポイント還元率が0.83%を超えるかどうかが、手数料との損益分岐点の目安です。還元率1.0%以上のカードであれば、ポイント還元が手数料を上回る可能性があります。

ただし、納税額が大きくなるほど手数料も増えるため、高額の納付には不向きです。

地方税の対応

地方税については、自治体により対応状況が異なります。対応する自治体では、各自治体の専用サイトからクレジットカード納付が可能です。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・24時間いつでも納付できる
・カードのポイントが貯まる
・事前手続きが不要
決済手数料がかかる(税額1万円ごとに約83円)
・領収書が発行されない
・納付上限は1,000万円未満

3-4. ダイレクト納付(e-Tax)

e-Taxで申告データを送信した後、届出済みの預貯金口座から即時または期日指定で引き落としができる方法です。

手続きの流れ

  1. 事前に**「国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼国税ダイレクト方式電子納税届出書」**を所轄税務署に提出する
  2. e-Taxで申告データを送信する
  3. 送信後の画面から「今すぐ納付」または「期日指定納付」を選択する
  4. 届出済みの口座から自動的に引き落とされる

期日指定を利用すれば、あらかじめ引き落とし日を設定できるため、納付忘れの防止に非常に有効です。

地方税の対応

eLTAX経由でダイレクト納付に対応しています。法人住民税・法人事業税等の地方税も、eLTAXでの届出を行えば同様の仕組みで引き落とし納付が可能です。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・24時間いつでも手続きできる
・手数料がかからない
期日指定ができ、納付忘れ防止に有効
・すべての国税に対応
・地方税にも対応(eLTAX経由)
・事前にe-Tax利用開始届出と口座振替依頼書の提出が必要
・届出から利用開始まで一定のリードタイムがかかる
・領収書が発行されない

3-5. 振替納税

振替納税は、所得税(申告所得税)と個人事業者の消費税に利用できる制度です。法人税・源泉所得税には利用できませんが、個人事業主にとっては納付忘れ防止の有力な手段です。

制度の概要

振替納税は、あらかじめ指定した預貯金口座から、納付期限に自動で引き落とされる仕組みです。

対象税目

  • 申告所得税(および復興特別所得税)
  • 個人事業者の消費税(および地方消費税)

法人税・源泉所得税は対象外です。

手続き方法

「預貯金口座振替依頼書」を税務署または金融機関に提出するか、e-Taxでオンライン届出を行います。

振替日のスケジュール(参考)

振替納税の大きな特徴として、振替日が申告期限より約1か月後に設定される点があります。キャッシュフローに余裕を持たせることができます。

対象振替日の目安
確定申告分(所得税)4月中旬頃
予定納税(第1期)8月末頃
予定納税(第2期)12月末頃

地方税の対応

振替納税は国税(所得税・消費税)専用の制度のため、地方税には対応していません。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・自動引き落としで納付忘れを防げる
・手数料がかからない
・振替日が申告期限より約1か月後で、キャッシュフローに余裕ができる
・届出の提出が必要
・残高不足の場合は振替不能となり、延滞税のリスクがある
・法人税・源泉所得税には利用できない
・領収書が発行されない

3-6. コンビニ納付(QRコード)

QRコードまたはバーコード付き納付書を使い、コンビニエンスストアのレジで現金納付する方法です。

手続きの流れ

  1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-TaxでQRコードを作成する(またはバーコード付き納付書を使用)
  2. QRコードをコンビニのキオスク端末で読み取り、納付書を出力する
  3. レジで現金を支払う

地方税の対応

自治体により対応状況が異なります。納付書にバーコードが印字されている場合は、コンビニで納付できます。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・身近なコンビニで手続きできる
・手数料がかからない
・早朝・夜間でも対応可能
納付額が30万円以下に限定される
・事前にQRコードまたはバーコード付き納付書の準備が必要
・領収書(領収証書)は発行されない(※受領証は発行される)

3-7. スマホアプリ納付

国税スマートフォン決済専用サイトから、スマホの決済アプリ(PayPay、d払い、au PAY、LINE Pay、メルペイ、Amazon Pay等)を使って納付する方法です。

手続きの流れ

  1. 国税スマートフォン決済専用サイトにアクセスする
  2. 納付税目・納付金額等を入力する
  3. 利用する決済アプリを選択し、支払いを完了する

地方税の対応

自治体により対応状況が異なります。対応する自治体ではスマホ決済アプリでの納付が可能です。

メリット・デメリット

メリットデメリット
・24時間いつでも納付できる
・手数料がかからない
・スマホひとつで手続きが完結する
納付額が30万円以下に限定される
・領収書が発行されない
・対応する決済アプリが限られる

4. どの納付方法を選ぶべき?ケース別のおすすめ

7つの納付方法を解説してきましたが、「結局どれを使えばいいのか」と迷う方もいるかもしれません。ここでは、よくあるニーズ別におすすめの方法を整理します。

こんなニーズがある方おすすめの納付方法
自分のタイミングで柔軟に納付したいインターネットバンキング納付(Pay-easy)
納付忘れを防ぎたい振替納税 または ダイレクト納付
納付の手間をなくし自動化したいダイレクト納付(期日指定)
ポイントを活用したいクレジットカード納付
(※手数料とポイント還元の比較が必要)
少額の源泉所得税を手軽に納めたいスマホアプリ納付
領収書が必要窓口納付(税務署・金融機関)
地方税もまとめて電子納付したいインターネットバンキング(Pay-easy)+eLTAX
または ダイレクト納付(eLTAX)

どの方法を選ぶか迷った場合は、**インターネットバンキング納付(Pay-easy)**がおすすめです。手数料無料、納付額の上限なし、国税・地方税の両方に対応しており、法人・個人を問わず最も汎用性の高い方法です。

そのうえで、個人事業主であれば所得税に振替納税を併用する、少額の源泉所得税にはスマホアプリ納付を活用するなど、用途に応じて複数の方法を使い分けるのが実務上は効率的です。

5. 納付手続きの注意点

納付手続きでは、見落としがちな注意点がいくつかあります。事前に把握しておくことで、不要なペナルティや手続きの遅れを防ぐことができます。

5-1. 納付期限を過ぎた場合のペナルティ

納付期限を過ぎると、延滞税が発生します。延滞税は、納付期限の翌日から完納日までの日数に応じて課されます。

区分税率(概要)
納付期限の翌日〜2か月以内2.4%程度(※)
2か月超8.7%程度(※)

※延滞税の割合は年度により変動します。最新の税率は国税庁のサイトでご確認ください。

また、申告自体が期限を過ぎている場合は無申告加算税、源泉所得税を期限までに納付しなかった場合は不納付加算税が別途課される可能性があります。

  • 無申告加算税 期限後申告に対して、原則として納付すべき税額の15%〜20%(※納付すべき税額が300万円を超える部分は30%)
  • 不納付加算税 源泉所得税の期限内不納付に対して、原則として納付すべき税額の10%

いずれも、自主的に期限後申告や納付を行った場合は軽減される場合があります。

5-2. 振替納税・ダイレクト納付の届出タイミング

振替納税やダイレクト納付は、届出の提出から実際に利用できるようになるまで、一定のリードタイムが必要です。確定申告の直前になってから届出を出しても、間に合わない場合があるので注意が必要です。

利用を検討している場合は、余裕を持って届出を提出しておきましょう。

また、以下のような変更があった場合は、届出の出し直しが必要です。

  • 転居により所轄税務署が変わった場合
  • 口座を変更した場合
  • 口座名義が変わった場合(結婚・法人の商号変更等)

届出漏れがあると、振替不能やダイレクト納付の失敗につながるため、注意してください。

5-3. e-Tax利用開始の事前準備

インターネットバンキング納付やダイレクト納付を利用するには、まずe-Taxの利用を開始する必要があります。必要な準備は以下のとおりです。

  1. 電子証明書の取得(マイナンバーカード等)
  2. 利用者識別番号の取得(e-Taxの開始届出書をオンラインまたは書面で提出)
  3. e-Taxソフトまたはe-Tax(WEB版)のセットアップ

法人の場合は、代表者のマイナンバーカードまたは法人の電子証明書(商業登記に基づく電子証明書等)が必要になります。

5-4. 地方税(eLTAX)の利用開始手続き

地方税の電子納税(インターネットバンキング納付・ダイレクト納付等)を利用する場合は、国税のe-Taxとは別に、eLTAX(エルタックス)の利用届出が必要です。

eLTAXの利用届出は、PCdesk(eLTAX対応ソフト)等から行います。届出の提出後、利用者IDが発行され、電子申告・電子納税が可能になります。

国税と地方税で手続き先が異なる点は見落としがちですので、両方の手続きを並行して進めておくとスムーズです。

まとめ

本記事では、法人税・所得税・源泉所得税の7つの納付方法について、それぞれのメリット・デメリット・利用条件を解説しました。

7つの納付方法のポイント

1. インターネットバンキング納付(Pay-easy)

  • 手数料無料・上限なし・24時間対応で、国税・地方税の両方に対応
  • 実務上最も汎用性が高く、迷ったらまず導入を検討すべき方法

2. 窓口納付

  • 事前手続き不要で確実だが、窓口に出向く必要がある
  • 領収書が必要な場合は唯一の選択肢

3. クレジットカード納付

  • ポイント還元のメリットがある一方、手数料がかかる
  • 還元率と手数料のバランスを事前に確認

4. ダイレクト納付

  • 期日指定が可能で納付忘れ防止に有効
  • 事前届出が必要だが、一度設定すれば手間なく納付できる

5. 振替納税

  • 所得税・消費税の個人事業主向け。振替日が約1か月後でキャッシュフローに余裕
  • 法人税・源泉所得税には利用できない点に注意

6. コンビニ納付 / 7. スマホアプリ納付

  • 少額(30万円以下)の納付に適した手軽な方法

自社の状況や税目に合わせて最適な納付方法を選ぶことで、手続きの効率化と納付忘れの防止につながります。特に、インターネットバンキング納付やダイレクト納付は事前の届出が必要ですので、利用を検討される場合は早めに準備を進めておきましょう。

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