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定期同額給与と事前確定届出給与とは?役員報酬で損をしないための基礎知識

2026.03.01

法人を設立すると、役員報酬の支給方法には税務上のルールがあります。

特に重要なのが、

  • 定期同額給与
  • 事前確定届出給与

の2つです。

このルールを知らずに役員報酬を変更したり、賞与を支給したりすると、その金額が法人税法上の経費(損金)にならない可能性があります。

この記事では、定期同額給与と事前確定届出給与の基本と注意点を解説します。


定期同額給与とは何か?

定期同額給与とは、

「毎月同じ金額を、定期的に支給する役員報酬」

のことです。

法人税法上、役員に支払う給与は原則として損金になりません。

しかし、

  • 事業年度開始から3か月以内に決定し
  • その後は毎月同額で支給する

という条件を満たせば、損金算入が認められます。

これが定期同額給与です。


なぜこんなルールがあるのか?

役員は会社の経営を左右できる立場です。

もし自由に金額を変更できると、

  • 利益が出そうなときに報酬を増やす
  • 利益が少ないときに減らす

といった調整が可能になります。

これを防ぐために、

「期首に決めたら原則変更できない」

というルールが設けられています。

定期同額給与は、利益操作を防ぐための制度です。


定期同額給与の注意点

1. 3か月ルール

役員報酬は、原則として事業年度開始から3か月以内に決定する必要があります。

それを過ぎて増額・減額すると、その差額が損金不算入となる可能性があります。

2. 毎月同額であること

支給額が毎月バラバラだと、定期同額給与と認められない可能性があります。

振込日も毎月一定にしておくのが実務上安全です。


事前確定届出給与とは何か?

役員に賞与(ボーナス)を支給したい場合、原則として損金にはなりません。

しかし、

  • 支給日
  • 支給額

をあらかじめ税務署に届け出ておけば、その金額は損金算入が認められます。

これが事前確定届出給与です。


事前確定届出給与のポイント

1. 提出期限がある

原則として、

  • 株主総会等の決議日から1か月以内
  • かつ、事業年度開始から4か月以内

のいずれか早い日までに提出する必要があります。

期限を過ぎると、その年度は適用できません。

2. 金額・支給日を守る必要がある

届出どおりに支給しないと、原則としてその全額が損金不算入となります。

例えば、

  • 届出額より少なく支給した
  • 業績悪化で減額した

といった場合でも、原則として損金算入は認められません。

「少なくしたから問題ない」というわけではありません。


定期同額給与と事前確定届出給与の違い

定期同額給与は「毎月の報酬」。

事前確定届出給与は「事前に決めた賞与」。

役員報酬を損金にするための仕組みですが、ルールが厳格です。

どちらも、

  • 事前決定
  • ルール遵守

が前提です。


実務でよくある失敗

  • 3か月を過ぎて報酬を変更してしまう
  • 事前確定届出給与を出し忘れる
  • 届出額と異なる金額を支給する
  • 毎月の振込額が微妙にズレている

これらはすべて、損金不算入リスクにつながります。

役員報酬は「後から調整できる数字」ではありません。


経営目線で考える

定期同額給与も事前確定届出給与も、

税務上のテクニックというより、

「最初に設計して、その通りに運用する」ためのルールです。

感覚で動かすと、税務上の不利益につながります。

役員報酬は金額以上に、

決定プロセスと運用ルールが重要です。


まとめ

  • 役員報酬は原則として損金にならない
  • 定期同額給与のルールを守れば毎月分は損金算入できる
  • 賞与を出すなら事前確定届出給与が必要
  • 期限・金額・支給日を守らないと損金不算入

法人成り初年度こそ、役員報酬の設計と手続きは慎重に行う必要があります。


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