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freeeおすすめ初期設定|認定アドバイザー税理士が解説する11項目の保存版チェックリスト

2026.06.04

はじめに

法人を設立してfreeeを契約したとき、最初に直面するのが「初期設定で何をどこまでやればいいか分からない」という問題です。freeeの初期設定ガイドは充実していますが、操作手順の説明が中心で、「税理士の視点で、デフォルトのまま使うべきか/変えるべきか」までは踏み込みません。

実は、freeeの初期設定で迷う最大のポイントは、まさにこの 「デフォルト設定との付き合い方」 にあります。

  • デフォルトのまま使うべき項目:勘定科目、ほぼ全ての細かい仕訳設定
  • デフォルトを必ず変える項目:消費税の課税区分(インボイス登録時)
  • デフォルトを消すべき項目:使わない税区分(5%、8%など)
  • 後回しでOKの項目:部門設定など

本記事では、freee認定アドバイザーとして多数の新規法人を支援してきた立場から、初期設定で押さえるべき11項目 を、デフォルトとの付き合い方の視点も交えて整理します。チェックリスト形式で、上から順に設定していけば設立直後の初期設定は完了します。

初期設定11項目の全体像

下表で全体を把握してから、各項目を見ていってください。特に重要なのは消費税の課税区分、開始残高、銀行口座連携、役員報酬の4項目です。

ブロック#項目重要度
基本情報1事業所情報の登録
 2期首日・決算月の設定★★
税務関連3消費税の課税区分★★★
 4インボイス制度の少額特例★★
 5税区分の設定★★
開始残高6開始残高の入力★★★
取引データ連携7銀行口座の連携★★★
 8クレジットカード連携★★
給与関連9役員報酬の登録★★★
 10給与・社会保険の連携設定★★
オプション11部門設定★(後回し可)


1. 事業所情報の登録

会社名、住所、代表者名、電話番号などの基本情報を登録します。税務署に提出した法人設立届出書と完全に一致させる ことだけ意識してください。表記揺れ(株式会社/(株)、ハイフン全角/半角など)があると、後で書類の整合性で迷うことがあります。

特に 法人番号は要注意。freee会計に登録した法人番号は、freee申告にも自動で転記される ため、入力ミスがあるとそのまま申告書類に反映されてしまいます。国税庁の法人番号公表サイトで取得した13桁を、正確にコピー&ペーストで入力してください。

2. 期首日・決算月の設定

設立初年度の会計期間は設立日から決算日までですが、誤って設立日ではない日付を入力されているケースが多いですので注意が必要です。

例えば3月15日に設立して3月決算の会社なら、設立第1期は3月15日〜3月31日(約2週間)、第2期から4月1日〜3月31日の通常期間となります。freeeの「期首日」には 登記簿上の設立日(315日) を入力してください。

決算月は定款で決めた事業年度に従って設定します。法人税の繰延効果を考えると 設立日からなるべく遠い月 を決算月にするのが一般的ですが、これは設立時の判断なのでこの段階では既に決まっているはずです。

【税務関連】消費税・インボイス・税区分の設定

新規法人のデフォルト設定は 免税事業者 になっています。資本金1,000万円未満の新規法人は、設立から最大2期は免税事業者の特例が使えるため、これが初期値として妥当です。

ただし、インボイス番号を登録した場合は、自動的に課税事業者になる ため、freee上の課税区分を「課税事業者(本則課税 or 簡易課税)」に変更する必要があります。

なお、簡易課税を選ぶ場合は、別途「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。届出と freee 設定の両方が必要です。

👉「簡易課税と原則課税どっちが得?メリット・デメリットと判断基準をわかりやすく解説」

・課税事業者にした後の追加設定(見落としやすい)

課税事業者に切り替えたら、日々の取引入力で2つのことを意識する必要があります

(1) 仕入・経費の税区分を正しく入力する

課税事業者になると、仕入や経費の 税区分(課税仕入か非課税か、軽減税率かなど)を正確に入力しないと消費税の計算が狂います。自動仕訳で取り込まれた取引も、税区分が適切かを必ず確認してください。

(2) 適格請求書(インボイス)の有無をチェックする

取引先から受け取った請求書がインボイスかどうかを、freee上で チェックボックスで反映 する必要があります。インボイスありの仕入と、インボイスなしの仕入では、消費税の控除額が変わるためです。

ここで重要なポイントが1つ。freeeのデフォルトは「チェックなし=インボイスではない」になっています。しかし、実務では取引先のほとんどがインボイス登録済み(正確には、適格請求書を発行している)というケースが多く、毎回チェックを入れるのは面倒ですし、チェックをし忘れて、納税額が過大になってしまう可能性があります。

その場合、マスタ・口座メニューのインボイス制度関連の設定で、デフォルトを「チェックあり」に変更する ことで運用が大幅にラクになります。例外的にインボイスなしの取引が発生した時だけチェックを外す、という運用に切り替えられます。

設定変更場所:「設定」 → 「マスタ・口座」 → 「インボイス制度関連」

4. インボイス制度の少額特例

初期設定で忘れがちな項目として、「インボイス制度の少額特例」 があります。

少額特例とは、基準期間の課税売上高が1億円以下(または特定期間の課税売上高が5,000万円以下)の事業者 について、税込1万円未満の課税仕入 であれば、インボイスの保存がなくても帳簿のみで仕入税額控除が認められる制度です(2029年9月30日までの時限措置)。

新規法人は売上規模が小さく該当するケースが多いですが、この設定は毎年「該当する」を選択する必要があります(基準期間ごとに判定するため)。初期設定で「該当する」を選んでおくと、毎年の選択忘れを防げます

設定場所:「その他設定」 → 「事業所の設定」 → 「詳細設定」 → 「インボイス制度の少額特例」

なお、売上が1億円を超えてきたら該当しなくなるため、毎期の判定は引き続き必要です。

5. 税区分の設定

freeeのデフォルトでは、過去に使われていた税率(5%8%)も使えるように設定されています。しかし、新規法人で過去の税率を使う場面はほぼないため、これは 使用しない設定にしておく ことを推奨します。ただし、8%(軽)は使用するので変更しないでください。

理由:5%や8%を有効にしておくと、仕訳入力時に誤って選んでしまうリスクがあります。 後で見つけて修正するのは手間なので、最初から非表示にしておくのが安全です。

・例外:デフォルト以外の税区分が必要なケース

事業内容によっては、デフォルトの税区分以外に追加設定が必要になります。

代表的な例:

  • 輸入仕入れがある場合:輸入消費税の専用税区分
  • 輸出取引がある場合:輸出免税の税区分
  • 不動産関連の取引がある場合:土地譲渡などの非課税取引
  • 金融・保険関連の取引がある場合:非課税取引の処理
  • 海外との取引が多い場合:不課税取引(国外取引)

これらは一例で、業種・事業内容によって必要な税区分は変わります。「自社の取引で、デフォルトの税区分でカバーできない種類があるか」を最初に整理しておく と、後から仕訳のたびに迷わずに済みます。判断に迷う場合は、税理士と相談しながら設定を決めるのが安全です。

【開始残高】設立日時点のB/Sを確定する

6. 開始残高の入力

開始残高は、設立日(または期首日)時点の資産・負債・純資産 をfreeeに登録する作業です。これを入れないと、その後の取引データがどれだけ正確でも、貸借対照表が正しくなりません。

・新規法人(個人事業からの引継ぎなし)の場合

最小限の入力でOKです。

  • 資本金(純資産)
  • 設立資金が代表者個人から出ている場合は 役員借入金
  • 設立費用を代表者が立替払いしている場合は 創立費・開業費

法人成り(個人事業から引き継ぎあり)の場合

個人時代の固定資産、棚卸資産、売掛金などを引き継ぐ場合は、税務処理が複雑になります。みなし譲渡や中古資産の耐用年数再計算など、freeeの自動仕訳ではカバーされない論点 が多いため、専門記事も参照してください。

👉 詳しくはこちら:freee法人成り|認定アドバイザー税理士が解説する税務6論点と仕訳

freeeでの設定場所

「その他設定」 → 「開始残高」

>> 開始残高で迷ったら

開始残高の設計を間違えると、後の決算でつじつまが合わなくなり、修正に大きな手間がかかります。特に法人成りで引き継ぐ資産・負債が多い場合は、設定前に税理士チェックを受けることをおすすめします。

[サービス内容を見る]

【取引データ連携】銀行口座とクレジットカードの連携

7. 銀行口座の連携

初期設定で最も重要な項目です。法人口座をfreeeと連携すれば、入出金データが自動取り込みされ、銀行口座を介するものについては、仕訳入力を漏れなく、重複なく行うことができます。

※やや見づらいですが、右上に「+登録」というボタンがあります。

・注意点

  • 個人口座と混在させない:代表者個人の口座を間違って連携しないように注意。事業用の法人口座のみを登録します
  • 重複登録しない:同じ口座を2回登録すると、データも2倍になります。設定後に必ず取引データを確認してください
  • ほぼ使わない口座は登録しない選択肢もある:事業利用がほとんどない口座は、わざわざ連携する必要はありません

・ネットバンキングの利用料金にも注意

銀行口座によっては、インターネットバンキングの月額料金が高額(月3,000〜5,000円)です。freee会計を中心に運用するなら、ネットバンキング利用料が安いか無料の銀行 をメイン口座にすることを推奨します。

代表的な選択肢:

  • GMOあおぞらネット銀行(個人事業主・法人とも料金が安い)
  • 住信SBIネット銀行
  • PayPay銀行

メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)はネットバンキング料金が比較的高めです。

8. クレジットカード連携

法人クレジットカードもfreeeと連携できます。経費の自動取り込みが効くので、設定する価値は高いです。

・注意点

  • プライベート用カードを連携しない:代表者個人のカードを誤って連携すると、プライベート支出が会計データに混入します
  • 重複登録に注意:銀行口座と同じく、重複登録しないように設定後に確認
  • ほぼ事業利用しないカードは登録しない

【給与関連】役員報酬と社会保険の連携設定

9. 役員報酬の登録

役員報酬を支払うには、freee人事労務側の設定が必須 です。freee会計だけで運用しようとすると、毎月の給与計算と源泉徴収・社会保険の処理が手作業になります。

コラム:freee人事労務の1人無料プランを活用しよう

実はあまり知られていませんが、freee会計を契約していれば、freee人事労務は1人分まで無料 で使えます。一人社長の新規法人なら、追加コストなしで給与計算・源泉徴収・社会保険処理を自動化できます。

設立直後は代表者1名のみというケースが多いので、このタイミングで人事労務をセットアップしておくと、毎月の給与処理がぐっとラクになります。

(従業員を雇う段階で、追加人数分の有料プランへの移行を検討してください)

freee会計の給与計算メニューから任意の項目をクリックするとfreee人事労務に切り替えできます。一人社長なのに有料プランを契約しないようにご注意!

・役員報酬登録時のポイント

  • 定期同額給与のルールを守る:金額を期中に変更すると、損金不算入のリスク
  • 源泉所得税の自動計算:扶養人数の設定を正確に
  • freee人事労務側で「役員」フラグを立てる:通常の従業員と処理が異なるため

役員報酬の詳細な決め方や定期同額給与のルールについては、別記事で解説しています。

👉 役員報酬の決め方完全ガイド 👉 定期同額給与と事前確定届出給与の違い

10. 給与・社会保険の連携設定

従業員を雇う場合、給与計算と社会保険の連携設定が必要です。これも freee人事労務側で設定 します。

  • 社会保険料の自動計算:標準報酬月額の登録、健康保険・厚生年金の料率設定
  • freee会計への自動仕訳:給与支給時の仕訳がfreee会計に自動連携される
  • 賞与の処理:賞与は別途処理フローが必要

人事労務側で正しく設定すれば、会計側の仕訳入力はほぼ自動化されます。

【オプション】部門設定は必要なときだけ

11. 部門設定

部門設定は、複数事業や複数拠点で損益を分けて管理したい場合に使う機能です。最初から無理に設定する必要はありません

・注意点

  • やるなら徹底:途中で部門設定をやめると、データが中途半端になります
  • 後から付与可能:部門設定は途中からでも、過去の仕訳にまとめて付与できます
  • 迷うなら後回し:「やったほうがいいかも」程度なら、最初は飛ばしてOK

判断に迷う場合は、まず部門設定なしで運用してみて、必要性を感じてから設定するのが安全です。

おまけ:勘定科目はデフォルトのままがおすすめ

freeeの勘定科目はデフォルトで網羅されており、ほとんどの新規法人はカスタマイズ不要です。むしろ独自の勘定科目を追加すると、毎月の仕訳で迷う場面が増えて面倒 になります。

「この経費はどの勘定科目に入れる?」と迷ったら、まずはデフォルトの勘定科目から最も近いものを選ぶ、というルールにしておくと運用がラクです。


まとめ:初期設定の優先順位

11項目をすべて設定するのが理想ですが、時間が限られている場合は、以下の ★★★(最重要)項目 から先に対応してください。

  1. 消費税の課税区分(インボイス登録時は必須変更)
  2. 開始残高の入力
  3. 銀行口座の連携
  4. 役員報酬の登録(freee人事労務との連携)

これらが正しく設定されていれば、日々の経理はほぼ自動化された状態でスタートできます。

初期設定で迷ったときは

freeeの操作自体はマニュアル通り進めれば完了しますが、「どう設定すべきか」の判断は、税理士の視点が必要な場面が多くあります。特に:

  • 消費税の課税方式(簡易課税 vs 本則課税)の選択
  • 開始残高の設計(特に法人成り時の引き継ぎ仕訳)
  • 役員報酬の金額決定と定期同額のルール

これらは設定を後から大きく変更しにくいため、設立直後の段階で正しく組んでおくこと が重要です。

当事務所はfreee認定アドバイザーとして、新規法人の初期設定から1期目決算までを顧問契約の中で一貫してサポートしています。完全オンライン対応のため全国どこからでもご利用いただけます。LINE・Googleドライブ等のWebツールでスピーディーにやり取りできる環境を整えています。

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  • 創業支援:会社設立から資金調達、freee初期設定まで一貫対応
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