決算月別 法人の税務 年間スケジュール|申告期限カレンダー早見表で“いつ何をやる”が一目でわかる
「法人成りして、記帳はできているけれど、そもそも、いつ・何を申告すればいいのかがわからないし、決算と申告以外にいったい何をやらなくちゃいけないのかよく分からない。ネットで検索してもバラバラの情報しか出てこない。。。」
法人成りしたばかりの方や、設立まもない法人の社長から、当事務所がいちばんよくいただくご相談です。日々の経理は会計ソフトで回せていても、確定申告・中間申告・年末調整といった「時期が決まっている手続き」は、年に1回しか来ないものが多く、抜け漏れが怖いですよね。
この記事を読めば、あなたの会社の決算月を起点に、1年間でいつ・何の税務手続きが来るのかの全体像が一目でつかめます。まずは結論から。自分の決算月の行を見れば、確定申告と中間申告の期限がすぐにわかる「早見表」を冒頭に置きました。そのうえで、業務を4つに分類して整理し、創業期につまずきやすい「落とし穴」まで解説します。1年の全体像を見たうえで、「自分でできそうか、それとも税理士に任せるか」を判断する材料にしてください。

Contents
【まずはここ】決算月別 申告期限 早見表(原則)
まずはこの表です。自分の会社の決算月(事業年度の最終月)の行を見てください。確定申告と中間申告の期限が一目でわかります。法人の確定申告期限は、原則として決算日の2か月後。たとえば3月決算なら5月31日が期限です。
| 決算月 | 確定申告 | 確定申告(延長後) | 中間申告 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 3/31 | 4/30 | 9/30 |
| 2月 | 4/30 | 5/31 | 10/31 |
| 3月 | 5/31 | 6/30 | 11/30 |
| 4月 | 6/30 | 7/31 | 12/31 |
| 5月 | 7/31 | 8/31 | 1/31 |
| 6月 | 8/31 | 9/30 | 2/末 |
| 7月 | 9/30 | 10/31 | 3/31 |
| 8月 | 10/31 | 11/30 | 4/30 |
| 9月 | 11/30 | 12/31 | 5/31 |
| 10月 | 12/31 | 1/31 | 6/30 |
| 11月 | 1/31 | 2/末 | 7/31 |
| 12月 | 2/末 | 3/31 | 8/31 |
たとえば、6月決算なら8月31日、9月決算なら11月30日、12月決算なら2月末(=2月の末日)が確定申告の期限です。どの決算月でも「決算月の2か月後の月末」と覚えておくと迷いません。
表の見方のポイントは3つです。
- 確定申告=原則、決算日の2か月後。法人税・地方法人税・消費税・法人住民税・事業税をまとめて申告納付します。
- 確定申告(延長後)=後述する「申告期限延長の特例」を適用した法人の目安。ただし納付の期限は延びない点に注意です(詳しくは落とし穴の章で)。
- 中間申告=この列は年1回の場合の目安です。実際の回数は前期の税額で変わります(次章の判定表で確認してください)。設立1期目は不要です。
中間申告はいつ・年何回? 必要かどうかの判定表
中間申告(=事業年度の途中で、前期の実績などに基づいて税金の一部を先に納める手続き)は、すべての法人に必要なわけではありません。前期の確定税額によって、必要かどうか・年に何回かが決まります。下の表で、自分の会社が当てはまるかを確認してください。
| 税目 | 前期の確定税額 | 中間申告 |
|---|---|---|
| 法人税 | 20万円以下 | 不要 |
| 法人税 | 20万円超 | 必要(予定申告または仮決算) |
| 消費税(国税分) | 48万円以下 | 不要(任意の中間申告制度あり) |
| 消費税(国税分) | 48万円超 〜 400万円以下 | 年1回 |
| 消費税(国税分) | 400万円超 〜 4,800万円以下 | 年3回 |
| 消費税(国税分) | 4,800万円超 | 年11回 |
たとえば、前期の法人税が30万円だった法人は、当期に法人税の中間申告が必要になります。消費税は国税分が60万円なら年1回。。。といった具合に、税目ごとに別々に判定するのがポイントです。「うちはどの回数になるんだろう」と気になったら、前期の申告書を見ながら、この表に当てはめてみてください。
1年の全体像|決算月別の年間業務カレンダー
個々の期限の前に、まず1年の流れをカレンダーでつかみましょう。下のボタンで自分の会社の決算月を選ぶと、その決算月の年間業務カレンダー(ガントチャート)が表示されます。横軸が1月から12月、縦軸が業務の分類です(初期表示は、日本でいちばん多い3月決算です)。
カレンダーのとおり、決算月ごとに変わるのは確定申告・中間申告の時期だけです。源泉所得税の納期特例(1月・7月)/年末調整(12月)/労働保険の年度更新・算定基礎届(7月)/償却資産申告・法定調書(1月末)/住民税の特別徴収の新年度切替(6月)は暦に固定されている手続きなので、決算月に関わらずどの会社も共通です。
つまり、固定の期限は「決算日」さえ決まれば自動的に決まり、あとは暦に固定の手続きを押さえればOKということです。次の章で、業務を4つに分けて具体的に見ていきます。
法人税務の業務を4つに分けて整理する
やることが多く見えても、業務は①法人設立時に最初に提出するもの ②時期に起因する業務 ③随時の手続き ④月次ルーティンの4つに分けると、ぐっと見通しがよくなります。1つずつ見ていきましょう。
① 法人設立時に最初に提出するもの
法人を設立したら(法人成りを含みます)、最初に税務署・自治体・年金事務所へ一連の届出を提出します。代表的なものは次のとおりです。
- 税務署へ……法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書、(毎月の源泉納付をまとめたい場合)源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書など。
- 都道府県・市区町村へ……法人設立の届出(地方税の手続きです)。
- 年金事務所へ……健康保険・厚生年金保険の新規適用届など(社会保険の加入手続き)。
これらは提出期限が決まっているうえ、「出して初めて効く」ものばかりです。特に青色申告の承認申請は、原則として設立から3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日までと期限が短く、出し忘れると1期目から青色申告の特典(欠損金の繰越など)が受けられません。設立直後のやることリストに必ず入れておきましょう。
法人成りの届出一覧|会社側・個人側の手続きと期限を税理士が解説
税務署・都道府県・市区町村・年金事務所など、提出先別の一覧表と保存版チェックリストで、期限と出し忘れやすい届出をまとめて確認できます。
② 時期に起因する業務(時期が決まっているもの)
1年のなかで時期が決まっている業務です。これが冒頭の早見表と年間業務カレンダー(ガント図)の中身になります。
- 確定申告・納付(決算日の2か月後)……法人税・地方法人税・消費税・法人住民税・事業税。1年でいちばん大きな山です。
- 中間申告・納付(期首から6か月経過後の2か月以内)……前期実績で要否を判定。法人税・消費税が対象です。
- 源泉所得税の納期特例(1月・7月)……後述の納期特例を受けている場合、年2回(1〜6月分→7/10、7〜12月分→翌1/20)にまとめて納めます。
- 年末調整(12月の給与支払時)……会社が従業員に給与を払う立場として行う手続きです。控除申告書を回収して年税額を精算します。
- 法定調書・給与支払報告書の提出、償却資産申告(翌年1月末)……年末調整とセットで、年明けに来る一連の事務です。
ここで大事なのは、年末調整・源泉所得税の主語は「会社」だということです。従業員に給与を支払う会社は源泉徴収義務者(=給与から所得税を天引きして国に納める義務を負う立場)であり、それはお客様ご自身の会社です。源泉所得税まわりは論点が多いので、納期特例や納め方は法人成り後の源泉所得税で注意すべきポイントと、法人税・所得税・源泉所得税の納付方法まとめで具体的に確認できます。
③ 随時の手続き(イベントが起きた都度)
時期は決まっておらず、できごとが起きたときに対応するものです。「いつ」ではなく「何が起きたら」で覚えるのがコツです。
- 従業員の入退社……社会保険・雇用保険の資格取得/喪失、扶養控除等申告書の回収、退職時の源泉徴収票の交付など。
- 社会保険の随時改定(月額変更届)……昇給・降給など固定的賃金が変わり、標準報酬月額が2等級以上変動したときの届出です。
- 消費税の選択届出……課税事業者の選択、簡易課税制度の選択、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録など。原則として適用したい課税期間が始まる前までに届け出る必要があり、出し忘れると1年単位で取り返しがつかないことがあります。
- 会社情報の変更・移転……本店移転・商号変更・増減資などは異動届出書を税務署や自治体へ(設立時の届出は前述の①のとおりです)。
このうち消費税の選択は、創業期の法人がもっとも判断を迷うところです。インボイス登録をすべきか、簡易課税と原則課税のどちらが得かは、インボイス登録の判断と、簡易課税と原則課税はどちらが有利かで、自社のケースに当てはめて検討してみてください。
④ 月次ルーティン(毎月くり返す業務)
毎月決まってくり返す業務です。日々の経理として、いちばん手になじんでいる部分かもしれません。
- 記帳・月次決算……取引データの確認と、その月の締め。
- 給与計算・給与支払……勤怠の集計から、支給・控除の計算まで。
- 源泉所得税・住民税(特別徴収)の納付……原則は翌月10日まで。源泉所得税は納期特例を受けていれば年2回(1/20・7/10)にまとめられます。
- 月次試算表の確認……数字を見て、資金繰りや業績の状況を把握します。
役員報酬は、この月次ルーティンと密接に関わります。定期同額給与(=毎月同じ金額で支払う役員報酬)のルールがあり、原則として期首から3か月以内に金額を決めないと、その後の増額分が損金不算入(=税金計算上、経費として認められないこと)になりかねません。役員報酬の決め方は役員報酬で税金の損をしないためのルール、金額の試算は役員報酬シミュレーション、決め方の手順は役員報酬の決め方ガイドが参考になります。
役員報酬の決め方完全ガイド|税金・社会保険・失敗例まで税理士が解説
相場・税金・社会保険から失敗例まで、役員報酬の決め方の全体像をこの1本で整理できます。金額を具体的に検討する前にどうぞ。
創業期につまずきやすい「4つの落とし穴」
最後に、創業期の法人が、とくに見落としやすいポイントを4つ挙げます。ここを知っているだけで、余計な利子や延滞のリスクをぐっと減らせます。
落とし穴1:源泉所得税の納期の特例は「出した後」からしか効かない——届出の出し忘れ
源泉所得税の納期の特例(=毎月の納付を年2回にまとめられる制度)は、申請書を税務署に出して初めて適用されます。しかも、申請してすぐ効くわけではなく、原則として申請した月の翌月に支払う給与分からの適用です。それまでは、毎月(支払った月の翌月10日まで)の納付義務が続きます。設立直後のバタバタで出し忘れたまま「うちは年2回のはず」と思い込んでいると、毎月分の納付が漏れて不納付加算税や延滞税がかかることもあります。。。
納期の特例に限らず、青色申告の承認申請、消費税の選択届出など、法人の届出は「期限までに出して初めて効く」ものがほとんどです。会社を設立したとき・状況が変わったときは、「何か出すべき届出はないか」をセットで確認するクセをつけておきましょう。
法人成り後の源泉所得税で注意すべきポイント|納期の特例・納付期限・支払時の注意点を解説
納期の特例が「いつから効くか」、毎月納付の期限、外注費の扱いなど、源泉所得税のつまずきポイントをまとめています。
落とし穴2:申告期限を延長しても、納付は延びない
早見表の「確定申告(延長後)」の列を見て、「うちは1か月後ろ倒しにできるんだ」と安心するのは早いです。申告期限延長の特例(法人税・地方税は届出や要件のもとで原則1か月延長、消費税も届出で1か月延長可)で延ばせるのは、あくまで「申告書を出す期限」です。「納税の期限」は延びません。
そのため、延長を使う場合は、本来の期限(決算日の2か月後)までに税額を概算で納める見込納付をしておかないと、延長した期間について利子税や延滞税がかかってしまいます。「期限が延びた=お金を払うのも先でいい」ではない、ここは要注意です。
法人税・所得税・源泉所得税の納付方法まとめ|電子納税から振替納税まで主要な納付方法を解説
電子納税・クレジットカード・スマホ決済など、主な納付方法の特徴と選び方を確認できます。見込納付のときにも役立ちます。
落とし穴3:退職者が出たときの住民税(特別徴収)——「異動届」の出し忘れ
従業員が退職したときは、住民税(特別徴収)の給与所得者異動届出書を、退職した月の翌月10日までに市区町村へ提出します。これを出し忘れると、市区町村は退職を把握できないため、退職した人の分の住民税の納付書が会社に届き続け、納付漏れとして督促が来ることもあります。
また、退職の時期によっては、残りの住民税を最後の給与から一括徴収しなければならない場合があります(1月1日〜4月30日の退職は原則一括徴収)。社会保険の資格喪失手続きに比べて忘れられやすい1枚なので、退職時のチェックリストにぜひ入れておいてください。
落とし穴4:法人税の中間納付は納付書が届かない——e-Taxの法人は要注意
「中間納付の時期になったら税務署から納付書が届くので、それで納めればいい」と思っていると、危ないケースがあります。国税庁は令和6年(2024年)5月以降、納付書の事前送付を取りやめており、前の事業年度の法人税の確定申告をe-Taxで提出した法人には、法人税の中間申告(前年度実績に基づく予定申告)の用紙や納付書が原則として郵送されません。
ややこしいのは、消費税の中間申告書兼納付書は、e-Taxで申告していても当分の間は引き続き郵送されるという点です(e-Tax申告が義務化されている大法人を除きます)。「消費税の納付書は届いたのに、法人税の分だけ来ない」という状況が起きるため、国税庁も法人税の中間納付の納付忘れに特に注意するよう呼びかけています。
法人税については、代わりにe-Taxのメッセージボックスに「法人税予定申告のお知らせ」が申告期限月の上旬に届きますが、意識して確認しないと見落としがちです。「納付書が届かない=今回は中間申告・納付がない」ではありません。中間申告が必要かどうか・期限がいつかは、冒頭の判定表と早見表で確認できます。納付書が来なくても要否と期限は変わらないので、カレンダーに入れて自分から動く前提にしておきましょう。
納付書なしで納める方法としては、ダイレクト納付やインターネットバンキングなどの電子納税が便利です。具体的な手段は上でご紹介した納付方法まとめの記事をご覧ください。なお、都道府県・市区町村に納める法人住民税・法人事業税の中間納付は自治体ごとに取り扱いが異なり、納付書が郵送されるところも多いですが、こちらも届く・届かないにかかわらず期限は変わりません。
ここまで見て「自分で全部やるのは大変そう」と思った方へ
ここまで早見表やカレンダーで1年の全体像を見て、「思っていたより手続きが多い」「本業をやりながら、これを全部、期限を守って抜け漏れなく回すのは大変そう。。。」と感じた方も多いのではないでしょうか。実際、確定申告・中間申告・年末調整・各種の届出を、それぞれの期限を管理しながら自分だけで回すのは、想像以上に手間と判断を要します。「自分でやろうかと思っていたけれど、やっぱり税理士に頼もうかな」——そう感じたのなら、それはとても自然な判断です。
税理士に任せれば、本業に集中できますし、判断ミスによる余計な税金や延滞のリスクも減らせます。これだけの手続きと期限を抱え込まずに済むのは、思っている以上に大きな安心です。当事務所は前職のKPMG(大手監査法人)で培った品質基準で、創業期の法人の税務を支援しています。これから法人の税務を始める方も、税理士の変更を検討している方も、スムーズに引き継げます。
「最初からまるごと任せたい」方も、「普段は自分で、要所だけ確認したい」方も、関わり方はご相談に応じます。年間スケジュールの組み立てから、ぜひ一度当事務所のご相談窓口でお気軽にお声がけください。具体的なご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。営業時間ベースで24時間以内に返信しています。
まとめ
- 法人の確定申告は決算日の2か月後。まずは早見表で自社の決算月の行を確認しましょう。
- 中間申告は前期実績で要否判定。設立1期目は不要です。
- 業務は①法人設立時に最初に提出するもの ②時期に起因する業務 ③随時の手続き ④月次ルーティンの4つに分けると見通せます。
- 申告期限を延長しても納付は延びない(見込納付が必要)点に注意。
- 納期の特例や住民税の異動届など、「出して初めて効く/出し忘れると後を引く」届出に注意しましょう。
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- インボイス登録の判断
- 簡易課税と原則課税はどちらが有利か
- 法人成りした後に押さえておきたいポイント
※ 本記事は令和8年(2026年)時点の制度に基づく一般的なスケジュールです。中間申告の回数・時期は前期の税額により異なり、申告期限延長や納期特例の適用には要件があります。個別の適用は最新の法令と自社の状況に応じてご確認ください。